【データから見る】大切な文化財を守るために。神社・お寺の火災原因と私たちができる対策

日本の美しい四季の風景に溶け込む神社やお寺(社寺)。

しかし、これらの貴重な木造建築は、一度火災が発生すると燃え広がりやすく、修復不可能なダメージを受けてしまうリスクを常に抱えています。

今回は、消防庁が公表している公式データ(令和元年〜令和6年の1月〜12月確定値)をもとに、「神社や寺院で年間どれくらい火災が起きているのか?」「その具体的な原因は何なのか?」を読みやすくまとめました。

私たち参拝客や地域住民が、大切な文化財を火災から守るためにできることもあわせてご紹介します。

 1. 神社・寺院の火災は年間どれくらい起きている?(年度別件数)

消防庁の公式報告書『各年における火災の状況(確定値)』の「都道府県別及び建物用途別建物火災件数」より、建物用途「神社・寺院」における火災発生件数の推移をまとめまし


令和元年(2019年):61件
令和2年(2020年):64件
令和3年(2021年):68件
令和4年(2022年):67件
令和5年(2023年):59件
令和6年(2024年):58件

直近6年間のデータを並べると、毎年およそ60〜70件のペースで推移していることが分かります。

平均すると「年間約63件」

これは、全国で「およそ6日に1件」の割合で神社やお寺が火災に見舞われている計算になり、決して人ごとではない数字です。

2. 【データ分析】なぜ起きる?社寺火災の主な「出火原因」

木造建築が多い神社やお寺では、一体何が原因で火災が起きているのでしょうか。

同報告書の「出火原因別火災件数」などの詳細データを分析すると、社寺特有の傾向や、特に注意すべき原因が見えてきました。

主な原因は大きく分けて以下の4つです。

① 灯火(ローソク・線香)

お寺や神社で最も身近な火の気といえば、お参りの際につなぐローソクや線香です。

参拝者が立ち去った後、風でローソクが倒れたり、線香の灰が近くの可燃物(座布団や幕など)に落ちて引火するケースが後を絶ちません。

② 放火・放火の疑い

悲しいことに、社寺火災の原因として常に上位に挙がるのが「放火」や「放火の疑い」です。

神社やお寺は夜間に無人になる場所が多く、境内に木くずや落ち葉などの可燃物が放置されていると、ターゲットにされやすくなってしまいます。

③ たばこ

境内での歩きたばこや、ポイ捨てされた吸い殻が、乾燥した落ち葉や木造の隙間に落ちてじわじわと発火するケースです。

特に参拝者が多く集まる時期や時間帯に注意が必要です。

④ 電気関係(配線器具・電気機器)

歴史のある社寺では、建物内の電気配線が老朽化していることがあります。また、ネズミなどの小動物が配線をかじってショート(短絡)したり、コンセントに埃が溜まって発火する「トラッキング現象」も原因となっています。

3. 大切な社寺を火災から守るための対策

データから分かった原因を踏まえ、私たちが参拝時に気をつけるべきこと、そして社寺側や地域で取り組める対策をまとめました。

参拝者ができること

ローソクや線香の扱いに注意する

指定された場所以外で火を灯さない。また、消えるのを見届ける、あるいは完全に安全な状態であることを確認する。

境内は禁煙

指定された喫煙所以外では絶対にたばこを吸わない。歩きたばこは厳禁です。

不審な動きに目を光らせる

放火を防ぐため、境内で不審な行動をしている人を見かけたら、社務所や寺務所に知らせましょう。

社寺・地域で取り組めること

境内の整理整頓(放火対策)

落ち葉やゴミ、薪などを建物の周りに放置せず、こまめに清掃する。

夜間の防犯・防火体制

防犯カメラやセンサーライトの設置、夜間の見回りが放火抑止に効果的です。

電気設備の定期点検

古い配線は専門家に点検してもらい、必要に応じて改修する。

まとめ:歴史を未来へつなぐために

神社やお寺の火災は、年間50〜65件と、今も絶えず発生しています。

その多くは、火の不始末や放火など、「人間の注意や対策次第で防げるもの」です。

何百年もの間、地域の人々に守られてきた歴史的建築や文化財を次の世代へ残していくために、私たち一人ひとりが火災のリスクを意識し、敬意を持って参拝することが大切ですね。

今度神社やお寺を訪れる際は、ぜひ「火の用心」の視点も少しだけ持ってみてください。

【出典・データ引用元】

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