日本に住む外国人の国民健康保険:なぜ加入が義務?背景と知っておくべき課題
なぜ外国人も国民健康保険に加入するの?「国民皆保険」の原則
日本の医療保険制度は「国民皆保険」という原則に基づいています。これは、日本に居住するすべての人に公的な医療保険への加入を義務付け、誰もが安心して医療を受けられる社会を目指すものです。
この原則に基づき、2012年の住民基本台帳法改正以降、在留期間が3ヶ月を超える外国人も住民票が作成されるようになりました。これにより、国民健康保険への加入が原則として義務付けられたのです。
外国人の国民健康保険:加入条件と手続き・支払い方法
国民健康保険に加入するには、いくつかの条件を満たす必要があります。
加入条件
3ヶ月以上の在留資格がある
住民登録をしている
勤務先の健康保険など、他の公的医療保険に加入していない
手続き
居住地の市区町村役場で手続きを行います。
在留カードやパスポート、マイナンバーカードなどの書類が必要です。
支払い方法
口座振替や納付書による現金払いが一般的です。
保険料の滞納は延滞金や保険証の有効期限短縮といった厳しい措置につながるため、絶対に避けるべきです。
不法滞在・移民申請中の外国人はどうなる?
国民健康保険の加入対象は、適法に日本に在留している外国人です。
不法滞在の外国人
在留資格がないため、国民健康保険に加入することはできません。
医療費は全額自己負担となり、高額な医療が必要になった場合は大きな経済的負担を抱えることになります。
移民(難民)申請中の外国人
難民申請中の外国人は、在留資格を一時的に有しているため、国民健康保険に加入できる場合があります。
具体的には、「特定活動」の在留資格が付与された難民申請者で、在留期間が3ヶ月を超える場合が対象となります。
ただし、難民認定申請中の期間でも、短期滞在などの在留資格では加入できません。
制度の課題と国の新たな対策
現在、外国人による国民健康保険料の納付率は、日本人を含む全体の納付率を下回る水準にあります。これに対し、国は制度の適正な運用を目指し、様々な対策を打ち出しています。
2026年4月:1年分の保険料をまとめて徴収できる仕組みの導入
2027年6月:国民健康保険料の滞納情報を在留資格審査に連携させる方針
その他:マイナンバーカードと在留カードの一体化や、医療機関での未払い対策も進められています。
これらの対策は、制度の公平性を保ち、日本の医療制度全体を守るためのものです。外国人居住者も、これらの変更を把握しておくことが重要です。
まとめ
国民健康保険は、日本に住むすべての人々が安心して医療を受けられるための大切な制度です。加入が義務付けられている理由を理解し、定められたルールを守って利用することで、私たち全員が日本の医療システムを支えることにつながります。
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