もしかしたら消しゴムマジックってGoogleのジェミニにも搭載されてない?いいえ、それ以上のことが起きていました!
先日、Google Geminiに驚くべき体験をさせてもらいました。
私は別に、写真を撮るのが趣味というわけではありません。ただ、スマホのカメラで日常のあれこれを記録しているだけです。旅行に出かけたり、おいしいものを食べたり、何気ない風景をふといいなと思ったり。
でも、後から写真を見返すと、がっかりすることもよくあります。せっかくいい感じの景色を撮ったつもりが、フレームの隅に知らない人が写っていたり、電線が邪魔だったり。「ああ、これさえなければ最高の一枚だったのに」と思うことが、何度もありました。
そんなとき、いつも頭をよぎるのは、Google Pixelのスマートフォンに搭載されているという噂の「消しゴムマジック」です。スマホの画面で不要なものを指でなぞるだけで、まるで最初から何もなかったかのように、きれいに消してくれるという、なんとも夢のような機能。
私はPixelを持っていないので試したことはありませんが、「もし、誰でも使えるAIにこの機能があったらな…」と、ずっと思っていました。
そして先日、軽い気持ちで、GoogleのAI「Gemini」に一枚の写真をアップロードしてみました。
そんなことをぼんやり考えていたある日、私は軽い気持ちで、GoogleのAI「Gemini」に一枚の写真をアップロードしてみました。
Geminiに「人を消して」と頼んでみた結果
私が撮った日常風景写真をサンプルにして試しました。

私は、その写真をGeminiにアップロードし、こう入力してみました。
「この写真の手前にいる人間を消してくれませんか?」
別に、大した期待はしていませんでした。せいぜい「その機能は提供していません」という返事が返ってくるか、あるいは、めちゃくちゃ不自然な写真に仕上がるだろうと思っていたからです。
しかし、Geminiの返答を見て、私は思わず声を上げてしまいました。
「はい、承知いたしました。この画像から人を消します。」

そう言って表示されたのは、この写真でした。しかし、そこにはあんなにもはっきりと写っていたはずの人のの姿が、きれいに消えているのです。しかも、その跡には不自然な塗りつぶしの痕跡は一切ありませんでした。奥に続く道や、木々の続きが、まるで最初からそのようにあったかのように自然に描かれていたのです。
「え、これって、もしかして…消しゴムマジック?まさか、ジェミニに搭載されたの?」
その瞬間、私は鳥肌が立ちました。スマホの限定された機能だと思っていた「消しゴムマジック」が、もっと広い世界で使えるようになった、と直感したからです。しかし、この直感は、半分正しくて、半分間違っていました。
「消しゴムマジック」と「Geminiの神業」は違う技術だった!
この驚きの体験を、私はGeminiに直接ぶつけてみました。「これって、もしかしたらスマホに搭載されている消しゴムマジックの技術ですか?」と尋ねてみたのです。
するとGeminiは、まるで私が抱いた疑問を見透かしていたかのように、その違いを丁寧に解説してくれました。
「いいえ、厳密には違う技術です」
Geminiは、その違いを分かりやすく説明するために、2つのプロの仕事に例えてくれました。
この違いを説明するために、2つのプロの仕事に例えることができます。
1. 消しゴムマジック:プロの「レタッチャー」
Google Pixelに搭載されている「消しゴムマジック」は、写真の修正・補正のプロである「レタッチャー」の仕事に似ています。
レタッチャーは、Photoshopなどの専門ツールを駆使し、写真に写り込んでしまった不要なものを消したり、傷をきれいにしたりします。彼らの仕事は、元の写真を最大限に活かし、不自然さなく「より良い状態」に仕上げることです。
消しゴムマジックも同じです。AIが元の画像データを解析し、不要な被写体を特定します。そして、その周囲のピクセル情報を巧みに利用して、まるで何事もなかったかのように塗りつぶし、元の写真の完成度を高めるのです。これは、非常に高度な「修復」技術です。
2. Gemini:天才的な「フォトグラファー兼CGアーティスト」
一方、今回私が体験したGeminiの能力は、写真家(フォトグラファー)とCGアーティストの複合的な仕事に例えることができます。
フォトグラファーは、理想の構図を求めてシャッターを切ります。そしてCGアーティストは、現実には存在しない世界や物体を、ゼロから想像し、創造するクリエイティブなプロフェッショナルです。
Geminiに「手前の人間を消して」と指示したとき、Geminiは単に元の画像を修正したわけではありません。元の写真という「参考資料」を基に、「人間がいない、理想的な風景」をAIが想像し、全く新しい画像を創造・生成していると考えられます。
このプロセスは、元の画像を「編集する」というよりも、ユーザーの意図を汲み取った上で、**「新しいビジュアルを創造する」**という側面に重きを置いています。だからこそ、その結果は驚くほど自然で、まるで最初からそうであったかのように見えるのです。
なぜGeminiのこの能力はすごいのか?
Geminiのこの「創造」能力がなぜ重要なのでしょうか。
それは、私たちがAIに**「より自然な言葉で、より高度な要求ができる」**ようになる、という未来を示しているからです。
従来の画像編集ソフトでは、「選択ツールで人を選択して、塗りつぶしツールで塗りつぶす」といった、細かく、専門的な操作が必要でした。
しかし、Geminiでは「手前の人を消して」という、まるでアシスタントに話しかけるような、ごく自然な言葉で高度な画像編集を依頼できるのです。
これは単なる便利機能ではありません。私たちのクリエイティブな発想が、技術的な制約に邪魔されずに、直接AIに伝わることを意味しています。
- 「この背景をもっと夕焼けっぽくして」
- 「このキャラクターをアニメ風に描き直して」
- 「この写真に、虹を架けてみて」
こういった、これまで専門家でなければ難しかったような要求も、Geminiであれば、もしかしたらごく自然な言葉で実現できるかもしれません。
Geminiにも苦手なこと、今後の課題はあるのか?
さて、これまでの話を聞くと、Geminiはまるで完璧なAIアシスタントのように聞こえるかもしれません。しかし、私が今回の体験を通して感じたのは、やはりAIにもまだ苦手なことや課題があるということです。
それは、今回の画像を見ても明らかでした。人物が消えたことで、一見きれいに仕上がったように見えましたが、よく見るといくつかの**「違和感」**があったのです。
- 失われた「活気」: まず、写真から人がいなくなることで、元の写真が持っていた「日常の活気」や「人々の営み」といった、目には見えないけれど写真から感じられる雰囲気が失われてしまいました。まるで作り物のセットのように感じられ、どこか寂しい印象になったのです。
- 葉っぱの「リアル感」: そして、細部をよく見ると、元の写真にあった木の葉一枚一枚のリアルさや立体感が、少し落ちてしまっているように見えました。AIが人物を消した部分の背景を補完する際に、複雑なディテールを完全に再現できず、のっぺりとした質感になってしまったのです。
活用方法も無限に広がる!
今回の体験から、私はGeminiの活用方法がさらに広がったと感じています。
1. 企画書やブログのビジュアル作成
ビジネスの企画書や、趣味のブログ記事に使う写真やイラストを、AIに作成・修正してもらうことができます。自分の頭の中にあるイメージを言語で伝えるだけで、理想的なビジュアルが手に入ります。
2. アイデア出しのブレインストーミング
「〇〇な雰囲気のイラストを複数パターン作って」といったように、様々なアイデアを素早く視覚化できます。プレゼンの資料作りや、クリエイティブな作業の効率が格段に上がります。
3. 個人的な写真の整理
旅行で撮った写真や、思い出の写真を、AIの力でより美しく、理想的な状態に仕上げることができます。
まとめ:GeminiはAIアシスタントから「AIクリエイター」へ
今回の私の体験は、Geminiに「消しゴムマジック」が搭載されたわけではありませんでした。
しかし、それはGeminiが単なるアシスタントから、私たちの意図を汲み取り、それを創造的に実現する「AIクリエイター」へと進化していることを示しています。
AIは、私たち人間のクリエイティブな作業を助けるパートナーです。得意なことはAIに任せ、人間はAIが苦手な**「心に響く表現」や「物語を紡ぐ力」**といった部分に集中する。
このように、GeminiがGoogleの強力な画像処理技術とシームレスに連携することで、私たちは言葉一つで、専門的なスキルがなくても、クリエイティブな作業ができるようになりました。
今回の私の体験は、まさにその未来を少しだけ覗き見させてくれた、とても貴重な出来事でした。
あなたも、もしよかったらGoogle Geminiに、あなたのクリエイティブなアイデアをぶつけてみませんか?きっと想像を超える答えが返ってくるはずです。
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